人の一生は、良きにつけ、悪しきにつけて、自分自身のささいな心の蓄積が結果に表れます。そこで、円満な人間関係を通して心も豊かに生きるために、「教会の十教訓」があります。愛の心を意識しながら、率先して自分自身の生き方に取り入れていきましょう。
夫婦、親子の関係を軸に、縁があって出会った相手と調和し、会話を楽しむ環境の中でこそ、自分の存在も生かされます。仕合せの基である家族の心を支え、励まし、補える自分を目指すことです。
和合するために必要な妥協とは、「長い物には巻かれろ」ということではありません。人との調和を信念として、相手の長所も、欠点も認め、受け入れる包容力のある心で向き合うことです。
人は十人十色というように、互いの価値観の違いが分かれば、相手の話をよく聞いて、真意を感じ取るゆとりが持てるようになります。そこに、衝動的に互いの自尊心を傷つけるようなことは避けられるものです。
人を恨む心には、自分を正当化する思いが潜んでいます。完璧な人間などいないのですから、過ぎたことにいつまでもこだわり続ける自分の思いを流すことです。
人を憎んでも何の解決にもならず、自分自身も仕合せにはなれません。相手を許せる大きな度量を持って、人の痛みが分かる人を目指しましょう。
相手のことをとやかく言う前に、自分がどれだけ多くの人のお世話になり、支えられ、許されてきたかを省みることです。そこに、「お互いさま」の精神で、あるべき自分の姿への向上心が持ててきます。
欲があるのが人間であっても、周りを乱すような過分欲に走らないことです。何事もゆとりをもって冷静な判断をすることで、分に応じた心の満足感が得られるようになります。
自分にできることで精いっぱい尽くすことです。無理なことは、自分にはできないと、正直に、誠実な態度で事に当たっていけば、重荷にならず、責任が果たせます。
人は、愛され、期待され、信頼されることで、持っている以上の力を発揮するものです。自分がされてうれしかったことを率先して相手にも与え、お互いの力を最大限に発揮する心を育んでいくことです。
人間は誰も、自分が一番かわいいものです。相手の人生観を押し付けられれば、負担にもなるでしょう。相手を尊重し、思いやる心を、一番身近な所から実践していきましょう。