「ありがとう」。誰もが知っていながら、昨今では、使うことを忘れがちなこの言葉。感謝を欠くから心が渇き、人を責めたり、ぶつかったりの悪循環。果ては、人生まで枯らしてしまいかねません。そうならないためにも大切にしたい「御礼」の心。一年の締めくくりとなる12月に体得したい姿です。それには何を意識すればいいのか…。12月1日、「愛寿御礼祭」で確認しました。
“本物の感謝心”の大切さが見えて
年頭に表された神からの課題を受け、神の教えを学んでは、自身の感じ方、考え方を改め、磨いて迎えた12月。式典前の動画を視聴している時から、一人一人の心に感謝の気持ちが膨らんでいきました。「してもらって当然の感覚になっていた」「家族だからと甘えが…」「みんなに支えてもらって今がある」。今日までの人生を振り返り、感謝を深く――。その思いが高まる中、神主教会長先生、教主正使者供丸光先生、神奉仕供丸清先生をお迎えし、式典が始まりました。
先生方のお話から伝わってきた、“本物の感謝心”の大切さ。神の教えを学んでいると、どんな思いで自分に関わってくれたのか、「相手の心」が見えてくる。だから、意に沿うときだけでなく、たとえ厳しくされたとしても、「教えてもらってありがたかった」。物事を大きな気持ちで受け止める、感謝の心が育まれます。さらに、我が身に起こる事象の全てを、自分の生き方を正す糧として、より良い人生につなげていけるのです。
各人が、時にうなずき、メモを取りながら、心からの「ありがとう」の持つ重みをつかんだひととき。“本物の感謝心”を、縁のある人たちに届けていこうと固く誓いました。
真心を伝える決意を強く
終了後、早速、家族に、地域の仲間に、「ありがとう」を伝え合う人たちの姿が。「毎日、家事や育児をしてくれて、尊敬してる」「家族のために、お仕事お疲れさま。これからは、ちゃんと言葉にしていくね」「地域の皆さんが心をかけ続けてくれたおかげで、悩んだ時も、前向きに頑張れました」。伝えた人にも、言われた人にも、優しい笑みがこぼれます。
「『自分の意に沿わないと、感謝が一瞬で怒りに変わるのが人の心』という神奉仕のお話が、心に響きました。最近、上司に指摘されることが多く、関わるのが嫌になっていたので…。でも、考えてみたら、厳しい指導のおかげで、できることが増えている。肝心なところを見落としていました。この気付きを忘れずに、明日から感謝の心で触れていきたいです」
「愛を込めた『ありがとう』を、夫や子供に伝えたい!と思いました。身近な存在過ぎて、家では自我の強さが出てしまっていたと反省です。でも、今年けがをして、気遣ってくれる家族のぬくもりを実感。思えば、あの時も、この時も…と、昔のことも振り返れました。『家族に向ける心、言葉遣いは何しろ丁寧に』という教主のお言葉どおり、温かい会話を大切にしていきます」
「若い頃は、自己愛ばかりで、人生を枯らす生き方をしていた自分が、人と接するのが楽しく、もっと多くの人のために生きたいと思えるようになるなんて…。一年一年、できないながらも教えに生きる努力を重ねてきて、気付けば60代。人を責めるのではなく、寄り添える、愛深い自分になれていることに感謝です」
「御礼」の心について、たくさんのことがつかめた式典。真心いっぱいの「ありがとう」が、今後、家庭や会社、地域など、さまざまな場で飛び交うでしょう。温かなその心こそ、新たな年を歩むエネルギーになります。「お世話になった人に恩返ししたい」「今度は自分が力になりたい」と奉仕の心が育まれ、愛ある人へと成長。全てが我が身、我が家に喜びとして返ってきます。だから今こそ、「仕合せの種」である、御礼、感謝の思いを深め、育みましょう。