大借金を負っても、感謝と誠実さを忘れない両親のように

(栃木県MK/20代女性/視能訓練士)

 

小学生の頃のことです。交通事故に遭った父の入院中に、父が一緒に会社経営をしていた友人が6000万円もの借金をつくり、行方不明になってしまいました。そこから我が家の生活は一変。しかし、当時の私は、働きづめの親を見て大変そうと思うだけで、状況を理解していませんでした。

 

最近、母から詳しい話を聞いて、どれほどつらい日々だったろうと胸が詰まりました。両親は、愚痴をこぼしたことも、誰かを悪く言ったこともありませんでした。それどころか、「あの人に助けてもらった」「あの人のおかげで…」と周囲の人たちへの感謝をいつも口にしていたのです。
そして、常に周りの方を思い、困っていれば相談に乗り、問題が解決すれば我が事のように喜んでいました。苦しい日々の中で、なぜそれができたのか…。「『神が家族をお守りくださっている』という絶対的な安心感があったから」と両親は言っていました。

 

20年の年月を経て借金を完済し、家族中で喜び合いました。父は、母に「この経験をしたからこそ、今の仕合せがあると言い切れる。子供たちもよく育ってくれた」と話したそうです。両親の生き方から、神に守られ、救われるありがたさや、感謝心の在り方、誠実に生きる大切さを教えてもらいました。

 

私自身、幼い頃から教会の勉強会で学ぶ中で、神の教えが人生の軸となり、何かあっても乗り越えることができました。今は社会人として働いていますが、両親のように人の良いところを見て、つながりを大切にする生き方をしたいです。二人が人生を通して教えてくれたことへの感謝の心を持って、周りの人たちのお役に立てるように歩んでまいります。