「障害」この言葉には、不自由さといったマイナスのイメージがあるかもしれません。しかし、人間は、体だけで生きているのではなく、心や運命を持っています。“心”が生き生きと明るく、世に役立つ“運命”の力を発揮していければ…、誰もが仕合せな人生を歩めるのです。それを実現するための環境が、神示教会の「供の会」です。今年は、年3回のうち2回を、聴覚障害のある方とその家族を対象に開催。初回となった2月12日、神総本部から全国の偉光会館に中継して行事が行われました。
今年の姿と課題をつかんで仕合せな一年に
視覚や肢体障害と違って、通常の勉強会では学びにくいのが聴覚障害の方々。「供の会」では、手話を交えて進めます。まずは、「祈願祭」の視聴から。画面に映る手話通訳を食い入るように見詰めながら学ぶ人、聞き取りにくい中でも、音声に集中しながらメモを取る人など、さまざまです。「今年はどんな年に?」「だから、どんな努力が必要?」生きる軸をしっかり持つために、神が表された指針を共有しました。「世界が大きく変わる今、変化にのまれないように…」それには、感じ方や生き方を良くしていくこと。自身の運命の力を引き出す一番の存在である“家族”と、和心を育むこと。大切なポイントが、一人一人の心に刻まれました。
学びの後は、神総本部、偉光会館ごとに、出席者同士で、気付いたこと、実践しようと思ったことを語り合い。車の運転中に事故を起こした女性は、手話と口話で発表。家族や身内にショックな気持ちを話すと、「自分を責めないで」と優しく受け止めてもらえて、「痛い思いをしたけれど、うれしかった」と声を弾ませます。神のご守護を体感し、家族、縁者とコミュニケーションを取る大切さも実感して、「積極的に自分から関わりたい」と笑顔いっぱいです。送られる拍手には、励ましのエール、“大共感”の思いが乗っていたことでしょう。
がんを発病した人は、「発見してもらえて感謝」「家族の支えがあったから、治療に前向きに臨めている」と力強く語りました。他にも、すぐにイラッとする心の修正に取り組んできた人は、「今、夫や子供と仲良く過ごせるのは、教えを学んでいたから」と自信たっぷり。また、聴力のない夫と暮らす女性は、「家庭の問題を自分が何とかしなくては…と思っていたけれど、家庭はみんなでつくるものと分かった」と決意を新たに。一人一人の発表に、うなずいたり、「良かったね」と笑顔で応えたり、手をひらひらさせる手話の拍手をしたり…。温かさとともに、生きる力がみなぎる空気が流れる中、それぞれが見つけた目標や課題に向かう意欲が湧きました。
自分にできることを見つけて
「『耳が不自由だから』なんて言う人が、一人もいなくてびっくり!」「皆さん、驚くほど明るくて、前向きで…。障害を不幸と感じてなくて、ただただ“すごい”と感動!」と語るのは、初めて参加した人たち。障害を受け入れ、人との縁を大事にして、自分にできることで人の力になりたいと目指す姿は、誰から見ても魅力的。「私もあのような生き方を…」「あの人のように…」と、互いに生きる勇気や希望を与えながら、心の成長を図っています。
「私たち夫婦は、障害のある同士。『祈願祭』から気付いたのは、性格を正していくこと。肢体に障害のある夫は、短気で正義感が強過ぎるのが欠点。でも、すぐに平静に戻るのは、教えを意識しているからなんだと思います。そんなしっかり者の夫に、いつも助けられている私。私も夫のために何ができるだろうと考えて、妻らしく支えていきたいです」
「一番心に残ったのは『家族』。なのに、一番うまく関われていませんでした。全く聞こえない私に、家族が勉強会の内容を要約して教えてくれたり、夫の話が分からないと、子供が筆談してくれるのに、感謝が足りなくて…。少しずつでも愛ある心で触れる! これを目標に頑張ります」
「『供の会』に参加すると、毎回、自分の心が前向きになれるのが不思議。皆さんの明るく前向きな姿から、パワーをもらっています。落ち込んでも、供の会の人たちのことを思うと、“自分も大丈夫、頑張ろう”と力が湧いてきます。私もそういう存在になりたいです」
障害のある人同士が集まる目的は、“みんなで奉仕心を育んでいく”ことにあります。職員が呼び掛けた、「自分が関わる環境が居心地の良いものになるように…。一緒にいて心が和む人になりましょう」に大きくうなずく方々の瞳には、“目指したい”“やってみる”という気持ちがあふれています。今年の課題を意識して、“まずは身近な家庭で実践して、自分から良い雰囲気を広げていく”。やるべきことを見詰めて、みんなで取り組む意識を高めたひとときとなりました。
次回の「供の会」は、5月6日(月・休)、聴覚障害者とその家族を対象に開催します。一年の折り返し地点となる5月は、「光栄祭」の内容も視聴する予定です。今回、「手話通訳があったから、『祈願祭』の内容を学べてうれしかった」との声もありました。周りに、同じような境遇の方がいられましたなら、どうぞご案内ください。そして、同じ空間をぜひ家族で共にして、互いの絆を深めていきましょう。