人の“心”は、どこで育まれるのでしょう。根幹となるのは「家庭」です。中でも、誕生から精神的な自立を迎える15歳までの間は、親や家族との関わりを通し、“生き方や感じ方”を身に付ける重要な時期。この時の「家庭教育」によって、我が子の人生が方向づけられる…と言っても過言ではありません。過ぎてからでは取り戻せない、「この時期にしかできないこと」があるのです。
とはいっても、“育自”とも表される「育児」は、試行錯誤の連続。「『仲間外れにされた』と聞いて一気に不安に…」「叱り過ぎては自己嫌悪の繰り返し…」。そんな葛藤を、全ての親御さんが乗り越え、「親らしい」生き方をつかみ、我が子の人生を確実に幸へと導いていけるように――。6月16日、乳幼児から中学生までの子を持つ親を対象に、「親の会」が行われました。
「親には、その子なりの良さ“運命”を育む任があります。それがかなうのが15歳まで」熱く語り掛ける職員の言葉に、ぐっと引き付けられる出席者たち。
神の教えでしつけは“仕付け”と表記します。礼儀作法を覚えさせる「躾(しつけ)」ではなく、「仕合せになる生き方、奉仕の心を身に付けさせる」のです。そのためには、教えで生きる親の姿を子供に見せること。
心を込めた挨拶、相手を思いやる会話…。そうした両親の姿は何よりの手本となります。完璧でなくても大丈夫。いつも夫婦で思いを共有し、心一つに我が子と向き合うのです。その「愛」が、子にしっかりと伝わって、心安らぐ家庭となっていきます。一人親の人は、二人分頑張ろうとせず、「父として」「母として」精いっぱい我が子に向き合うこと。
次々に出てくるポイントに、あちこちでうなずき、メモを取る姿が見られました。
続いて、我が子のことで直面していること、意識していることを語り合うひとときへ。
「娘が反抗的でやきもきしていたんですが、皆さんと語り合っていたら、自分が子供の話を聞いてなかった…と気付けました。『忙しい』を言い訳にしないで頑張ります」
「最近、中学生の息子との会話が減って…。『男の子だし、そんなものだ』って都合よく捉えていたけれど、先輩方の『今なら間に合うから。諦めると後悔するよ!』という励ましを聞いて、しっかり向き合おうと心にスイッチが入りました」
「学校で『もう少し発言できるといいですね』と言われたことが、ずっと気になっていました。家でもつい口うるさくなって…。でも、皆さんの話を聞きながら、それって親の心配を子供に押し付けていただけ、焦っていたのは私自身とハッとしました」
共感し、励まし合う中で、気付きが深まり、親心が磨かれていきます。
「我が子の仕合せのために…」その一心で、親としてなすべきことを胸に刻んだ出席者。終了後は、明るい表情を見せています。
「『親が、仕合せに生きる手本になること』と聞いて、目指す姿がつかめました。言葉遣いも、行動も、子供は親をよく見ているなあと思うから責任重大。だからといって気負い過ぎないで…。完璧じゃないからこそ、妻と補い合っていきます」
「小学校高学年ともなると、自分の意見がはっきりしてきて、親子でぶつかることも…。でも、子供が思いを話してくれるのはありがたいこと。夫婦で、何でも話しやすい家庭の雰囲気をつくっていこうと決めました」
「どうしても子供に目が行きやすいけれど、やっぱり夫を大事にしないと…。夫婦がお互いを思い合う姿を通して、人を大切にする生き方を伝えてあげたいです」
誕生から15年の、性格がつくられる“今、この時”を大切に、家族そろって仕合せを手にしましょう。
行事で活用したのは、『実りの光(みち)』。育児の真理が満載の図書です。小中学生とその親御さんが対象の授業、「実りの集い」の教材でもありますが、就学前のお子さんの親御さんにも参考になることばかり。我が子の心をどう育てるか。親として自分自身をどう育むか。確かな指針を、神の教えからつかんでください。
※今年最後の「親の会」は、8月18日(日)に開催します。対象は、乳幼児から30歳(友輝会)までの子を持つ親御さんです。
4月の親の会(15歳~30歳までの子を持つ親対象)の様子はこちら