「いよいよ私も社会人に…」。慣れ親しんだ学舎(まなびや)を離れ、世の中に一歩を踏み出す―――この節目に受ける儀式が「成人の儀」です。目の前に広がる未知の世界に、夢を抱き、期待に胸を膨らませる若人たち。時には、経験の少なさから、人を見て落ち込んだり、ささいなことで意欲がしぼんだりすることもあるでしょう。大きな可能性を秘めた青年が、世の荒波にのまれることなく、良さを生かして生きがいある人生を歩むために、欠かせない「成人の儀」。神が「『夢』かなう心(人生)の力(土台)を与える」(『真実の光・神示 平成27年版』17ページ)と表されたこの儀式は、ことしも、神総本部、全国の偉光会館で実施されています。
愛に包まれ、深まる感謝と決意
儀式前の待合室には、緊張した面持ちの若人の姿が。「おめでとう」「もう社会人なんだね」「早いなあ」。両親や祖父母の言葉に、照れくさそうな笑顔を見せる青年もいれば、満面の笑みで「ありがとう!」と応える女性も。18歳、20歳、22歳…社会に巣立つ年齢はさまざまでも、どの家庭も、大切な家族が門出の日を迎えた喜びに包まれています。
御神体が祭られた儀式会場は、厳かな空気に満ちていて、自然と居住まいを正す青年たち。開式を伝える伝導師の言葉に、真剣に耳を傾けます。その後ろに座る両親は、成長した我が子の様子に胸いっぱいの面持ちです。
儀式の中で行う神飾(かんかざ)り奉奠(ほうてん)では、参列者が神に自らの思いを届けます。心を込めて奉奠し、気持ちを語る若人の姿には、社会人としての自覚が漂い、頼もしさまで伝わってきます。続く両親の奉奠では、神に深々と一礼し、我が子の仕合せを願う姿が。「光る我が道(人生) 我が晴れ姿 きょうの喜び 思うぞ うれし」。神歌を耳にしたある母親は、これまでを思い返し、「甘えん坊だった娘が…」と、あふれる涙が止まりません。その隣で父親は、目を閉じてじっと聞き入ります。生み、育ててくれた両親、支えてきてくれた周りの多くの方々…。青年たちの心に湧き上がった感謝が、「自分にできることで役に立ちたい」と奉仕心で生きる決意につながって、確かな意欲を引き出しました。
期待を胸に、それぞれの道へ
「儀式を受けたら、『何があっても大丈夫!』と思いました」と語るのは、春から医療事務の仕事に就く女性です。「病院には不安を抱えて来る人も多いから、そういう方々が少しでもほっとして、元気が出るような受け付けをしたい。そんな気持ちが込み上げました。私の強みは明るさと前向きさだと思うので、それを生かして頑張りたいです」
「就活中、父がたくさんのアドバイスをくれたことが、本当にありがたかったです。どんなときも支えてくれた両親のおかげで、ここまで来ることができました。社会人になったら、学生時代とは違う喜びや苦労があると思うけど、多くのことを吸収し、何事にもチャレンジしていきます」
「自ら人に関わっていく優しい母は、幼い頃から私のお手本でした。この家族の下に生まれてこられて良かったと、感謝しかありません。春からは、念願だった教師としての道がいよいよ始まります。自分がたくさんの方々に支えていただいた分、生徒たちを思って本気で向き合える、愛情いっぱいの教師を目指します」
「子供の頃は体が弱くて…」と涙を拭う親御さん。「もう20歳になったんだと感動です。昔から、家族みんなの様子をよく見て、誰の話もよく聞く子でした。最近は、足腰が弱くなった祖母にすっと手を貸したり、自分から『おじいちゃんのために免許を取るよ』と言ってくれたり。できることを惜しみなくするその良さを、これからも生かしていってほしいです」
自分にできることに進んで取り組み、人の役に立つ生き方を…。この「奉仕の心」を忘れなければ、これから始まる社会生活に欠かせない、人との調和がかないます。課題に直面しても必ず乗り越え、どこにいても求められる人となれるでしょう。儀式を通し、自らの良さに自信を深め、奉仕で生きる思いを心に刻んだ若人たち。輝く未来に向けて、力強く歩み出しています!
「成人の儀」は神総本部、全国の偉光会館で実施しています。ご家族がそろって参列できる日にお申し込みください。