温かい土に包まれながら植物の種子が芽吹くように、人間も、魂の安らぐ温かい家庭があればこそ、一人一人に潜在的に備わっている「良さ」が芽吹きます。健やかな成長に欠かせない「和のある家庭」を築いていくことは、我が子の仕合せを左右する重大事。「三立(さんりつ)の儀」は、3歳、5歳、7歳の節目を祝うとともに、子供の心を守り、育んでいこうとする、親としての強い責任感が引き出される儀式です。
11月を山場に、神総本部と全国の偉光会館で行われ、多くのご家族が参列しています。
待合室では活発に動き回っていた子供たちも、御神体が祭られた厳かな雰囲気の式場に足を踏み入れた途端、神妙な面持ちに。さらに、儀式が始まると、背筋をピンと伸ばす子も。りりしい姿を、両親や祖父母が目を細めて見守ります。
まず、伝導師が、今日までの成長に御礼を申し上げ、我が子の仕合せを願う親の思いを神につなぎます。途中でお子さんの名前を読み上げると、「僕のことだね」と確認するように、親子でにっこり笑い合ったり、恥ずかしそうに抱き付いた子供の背中をトントンしたり。温かい空気に包まれて、家族の心がどんどん重なっていきます。
集合形式の儀式も実施
神に思いを届ける神飾(かんかざ)り奉奠(ほうてん)では、真剣に祈願する両親のまねをして、幼子も小さな手を合わせます。
埼玉偉光会館
埼玉偉光会館
福井偉光会館
続いて、神が親の心情を代弁された神歌を読み上げる伝導師。「我 子の親と今なりて 深き父母の愛をば思わん」という神示を聞いて、自分を育ててくれた両親に思いをはせる親御さんたち。「わがままな性格を受け止めてくれて…。深い親心が、子供を持って初めて分かった」「体が弱かった私を育てるのは大変だったはず。それなのにいつも笑顔で、たくさんの愛をもらった」など、胸いっぱいに膨らむ感謝。目頭を押さえ、今度は自分が無償の愛をかけ、我が子を大切に育んでいく…と決意を新たにしました。
儀式の中では、子供から両親へ、感謝の思いを届ける場面があります。もじもじしたり、ちっちゃい声になったりもするものの、それぞれが精いっぱい表現した「ありがとう」の気持ちは確かに伝わり、みんなが笑顔に。「よく言えた!」と拍手を送るパパや、「こちらこそ、ありがとう」と子供の頭をなでるママ…。家族がより固い絆で結ばれました。
茨城土浦偉光会館
うれしそうに記念品を受け取って
埼玉偉光会館
「この子が生まれた時はただうれしくて、ありのまま育ってほしいと思っていたのに…。育児に追われ、つい『それは駄目!』などと抑えてしまっていたことを反省。子供が伸び伸びとできる家庭を、妻と一緒につくっていきます」
「今、我が家には2人の子供がいます。それだけで大変なのに、3人きょうだいだった私たちを育てた親は、どれだけ苦労しただろう…。儀式の中で、深い愛が心に染み入り、あらためて両親に感謝しました。私も父母を見習って、愛情いっぱいの子育てをしたい。子供たちに遠慮させない、何でも話せる和やかな家庭にしていきます!」
「子供には自閉症がありますが、夫婦で何でも話し、気持ちを理解し合えているおかげで、我が子を受け止める強さや、ゆとりが持てるのかなと感じます。最近は、確かな成長を感じるようになりました。多くの人に支えてもらえる、明るさや優しさがこの子の良さ。それを本人も自覚し、伸ばしていけるように、親として温かく触れていくことを誓いました」
人を成り立たせている、心と体と魂。心身が未成熟な子供には、この3つのバランスが取れるように、温かい家庭環境を整えることが欠かせません。「三立の儀」を通して、親としての自覚を強くした父母が、愛の心で我が子に関わっていくところに、子供は健やかに育ち、やがて自分の良さを発揮し始めるでしょう。その時を楽しみに…。期待と希望があふれる家族の笑顔がはじけていました。