人間は、何一つ自分でできずに生まれてくる生命体。人の手を借り、心をかけられて育つ過程において、誰よりも近くで我が子を育んでいく親の任は大きいものです。ところが、仕合せを願って愛をかけながら、思うようにいかない子育てに悩む姿も少なくないのが現実。「親として何をすればいい?」「正しい子供との向き合い方は?」知りたいことは尽きず、やれることは何でもしたい! そうした子育て中の人を対象とした「親の会」。4月の全体会に続き、6月4日は、乳幼児から中学生までの子供を持つ親向けに、神総本部から全国の偉光会館に中継して行われました。
“家庭環境”と“子供との向き合い方”が大事
「子育ては15歳までの関わり方が重要です」職員の力強い語りに、思わず背筋が伸びる出席者。我が子がどのように成長するかは、“家庭環境”と“子供との向き合い方”次第と分かるほどに、緊張感が走り、責任感が膨らみます。植物が、冷たい大理石の上より、温かい苗床の方が育ちやすいように、人間も「立派な家より温かい家庭の方が、すくすく育つ」との話には、「確かに!」と誰もが納得。15歳までの仕付けを3段階に分け、神示に沿って確認する場面では、真剣に聞き入る姿がありました。
誕生より三年(みつとせ)――この間 我が子の魂 我が家に根付く大切な時と申す
ただただ「愛」をかけ 触れて育てよ
誕生より三年(みつとせ)――
この間 我が子の魂
我が家に根付く大切な時と申す
ただただ「愛」をかけ 触れて育てよ
人生において、初めて身を置く環境が“家庭”。そこが、「自分が一番安心できる場所」と感じられるように、3歳までは“スキンシップ”が大事です。親のたっぷりの愛情を肌で伝えるのです。
三年(みつとせ)より八年(やとせ)――自我芽吹き始めるゆえに
我が子の「思い」をよくよく聞いて 「善」と「悪」を教えることなり
三年(みつとせ)より
八年(やとせ)――
自我芽吹き始めるゆえに
我が子の「思い」を
よくよく聞いて
「善」と「悪」を教えることなり
性格が決まるのがこの時期と聞いて、ドキッとした人も。自我も成長の一つであり、正しい仕付けができれば、何の心配も要りません。大切なのは、“思いをよく聞く”、善悪の区別がつくように“子供の目線で伝える”。叱るだけではいじけてしまうから、“8割褒めて、2割叱るくらいの感覚”で、常に「あなたが大事」と愛情をかけていく…。そこに、素晴らしい親子関係が出来上がっていくとの言葉に、早速やってみよう!という意欲も湧き上がります。
八年(やとせ)より十五年(じゅういつとせ)――
我が子の人生 あるべき姿が見えてくる
見えし姿と目指す目標 親はしっかり伝え 応援する時と申す
八年(やとせ)より
十五年(じゅういつとせ)――
我が子の人生
あるべき姿が見えてくる
見えし姿と目指す目標
親はしっかり伝え
応援する時と申す
『実りの光(みち)29』14ページ(中略あり)
親の応援とは、塾に行かせ、良い学校に進学させることではありません。我が子なりの良さを、“見つけて、認めて、褒めて、応援”することです。「絶対にやってはいけないのが、周りと比べること」という職員の言葉にハッとし、顔を見合わせる夫婦も。やるべきこと、やってはいけないことが明確に分かれば、不安や迷いもなく、自信を持って我が子と向き合えます。「もう時期を過ぎてしまったから駄目」ということはありません。気付いた時から正しい関わり方をしていくなら、そこから花咲く人生へと歩めます。
土壌を良くするほど、伸びやかに育つ
苗床に当たる“家庭”が良いほど、子供も伸びやかに育ちます。ただし、親、先祖から受け継いできた土壌には、病気にかかりやすい、仕事で苦労するなど、その家系ごとの問題が潜んでいるため、改良が必要です。それには、夫婦で神の教えを学び、土壌を良くしていく努力が欠かせません。“仲の良い夫婦” “子供が安心して思いを語れる親”となり、「家族の心を支えて頼られる父」「夫や子に優しく触れていける母」を目指しましょう。一人親の場合は、父母の両方の役目を担うことは厳禁。父なら父、母なら母の役割を果たし、必ず親子で神の教えを学びましょう。
親の庇護(ひご)の下で仕付けができるのは、精神的な「自立」を迎える15歳まで。自身の持つ力で人生を歩み出すその時まで、我が子の心が安らぐ、温かい家庭を築きましょう。
親としてやるべきことが見えた!
「すごく大切なことを夫婦で学べて良かった! 7歳の娘に、つい感情的になってばかり。こんな中で、子供の性格がつくられてしまっては大変と、いい意味で緊張感と責任感が持てました。『行ってきます』と言って学校に出掛ける娘に、『大好きだからね~』と伝えている私。子供に『あなたが大事』という愛情をかけてほしい…と聞いて、それできてる~と、うれしくなりました。優しい夫と一緒に、教えを楽しく実践しながら、あったかい家庭をつくっていきます」
「『あの子は塾で頑張ってるよ』と、他の子と思いっ切り比べていたと、反省です。15歳まであと2年…。“まだ2年ある”と思って大事にしたい。夫婦でもっと学んで、会話して…を頑張ります」
「8割褒めて…にドキッ! 小学生の娘に『私、褒められるほど育つから』と言われ、『褒めているのに何で!?』と、びっくりしたことを思い出しました。叱るが大半だったと気付いてからは、神の教えが浮かんで心にブレーキがかかるので、言い方一つも変わったかな…と。この間は、夫と娘と私で、お互いのいいところを言い合っていたら、話が尽きませんでした。こんなに親子関係が良くなったのも、日頃、3人で『実りの集い』で学んでいるからと感謝です」
「“なぜなぜ期”で、『なんで?』責めの毎日に、つい『何でも!』と答えてしまうときがあるので、『子供目線で話をする』という言葉が心に残りました。子供は神から授かった宝物。我が子のおかげで親になれたことを忘れず、最後までちゃんと話を聞けるようにやってみます」
乳幼児期から少年期は、心身ともに、成長が目覚ましい時期。苗床(家庭環境)や苗(性格や良さ)はみんな違うので、成長する速度や特性が異なるのは当然のことです。そうした中で、家庭教育の基本は「夫婦」。父母の不仲が、子供の心を一番傷つけます。夫婦の心をまずは重ねて、二人で“和のある環境”をつくり、“我が子”をしっかり見詰めて、愛情を持って育みましょう。
※次の「親の会」は、6月25日(日)に開催します。対象は、「友輝会」(15歳から30歳までの未婚者)の子を持つ親御さんです。併せて、「実りの集い」(小・中学生とその親御さんが対象)、「友輝会」にも親子で出席し、学びましょう。