植物の種は、先代から受けた養分で芽吹いた後、自らの力で水や栄養を吸収しながら成長していきます。人間も同様に、親の庇護(ひご)の下、生きるための養分を与えられて育つ時期を経て、いずれ独り立ちする時を迎えます。この「成人」に当たるのが15歳。人生の大きな節目を祝う「神宝祭(かんほうさい)」は、「神」が下さった「宝」である「運命」を自覚し、自信を持って人生を歩み出していくための儀式です。「運命」とは、神が一人一人に授けてくださる、その人なりの良さ。社会で役立つこの力こそ、人生を仕合せへ、夢あるものへと導く宝なのです。毎年、夏休みの時期に合わせて受ける人が多い「神宝祭」。今年も、神総本部、全国の偉光会館には、初々しい中学生とその家族が参列する姿が見られました。
役立つ良さを自覚して新たなスタートを
祭壇がしつらえられた、厳かな雰囲気の儀式会場。一歩入ると空気感が違うため、「何だか緊張してきた」という子も少なくありません。「どんな儀式なのかな」とそわそわしながらも、自然と背筋がぴんと伸びる中、いよいよ開式。「15歳は、人生を輝かせる運命が芽吹き始め、人間として自立する節目」伝導師の言葉にうなずきながら聞き入ります。さらに、今日を迎えられた感謝と、自分の運命の力に自信と誇りが持てるように、一人一人の思いを神に届ける場面が。真剣に祈願する我が子を見守る親御さんは、「立派に成長して…」と込み上げるものがあるのでしょう。涙を拭う姿もあり、それを目にした子供たちも、親への感謝が持てたり、「しっかりと生きていこう」と身が引き締まったり、家族から祝ってもらえるうれしさが湧いたり…。沸き立つ思いとともに、自身の役立つ良さを自覚すればこそ、新たな一歩を力強く、夢を持って踏み出せるのです。
将来への夢と希望を胸に
儀式を終えると、緊張が一気にほぐれ、明るい笑顔がこぼれる子供たち。しかし、開始前と後では、確実に気持ちが変わっていることを実感します。
「これから大人としてしっかり歩んでいきます!」と神に誓った女の子は、「勇気を持って何でも挑戦するのが私の良さ」と確信。「みんなのためを思って率先して動きたいし、親には育ててくれた『ありがとう』の気持ちを忘れずにいたい!」とキラキラした目で語ります。
「つらい時期もあったけれど、神のお守りと家族のおかげで乗り越えられて、成長もできた」という男の子も、自身の経験を生かそうと前向きに。「つらい思いをしている人の気持ちが分かるから、誰にも優しく生きていきたい」自分なりの目標が見えて、うれしそうです。
「実りの集いで『その人なりの良さがある』と学んでいるけれど、お父さんは周りを安心させられる人で、お母さんは明るい人。両親からもらったいいところを生かして、将来は美容師として人をきれいにすることで役に立ちたい」と、はきはきと話す女の子。儀式を終えた直後、両親をはじめ、今まで支えてくれた人たちに「私の成長をいつも見守ってくれて、本当にありがとう。私はみんなに愛されて、とても仕合せです」と感謝を伝えると、縁者の誰もが感無量の様子でした。一生忘れられない思い出として、家族の心にいついつまでも残るでしょう。
我が子が成人を迎えたこと…、それは親御さんにとっても大きな節目です。
「この子は本当に優しくて…」誇らしげに語る両親は、「良いところを褒めて、もっと光るように力になりたい」と、一番の理解者であり、応援者であり続けることを宣言。また、「親から子へと道がつながっていくことを思った時、ますます手本となる生き方を見せたい」とあらためて決意した夫婦もいました。あどけない表情を見せ、人生経験のなさから弱々しい面もある子供たち。しかし、15歳は、親子の関わり方が変わる時。両親は、我が子を一人の大人として温かく見守り、良さを発揮できるように支えていきましょう。
人生は、家族と共に歩んでいくもの。折々の節目を家族で迎え、祝うところに、心の絆が強固になり、家族中の人生が大きく守られていきます。新たな人生の起点である15歳も、その意義をつかんで、ぜひ「神宝祭」に家族で参列しましょう。ここ数年、コロナ禍で参列がかなわなかった方は、15歳を過ぎていても受けられますので、いち早くお受けください。
神の愛受け 輝く姿――
「我が身の宝」受け取りたまえ
光る我が道(人生)見えずとも
神の手の中 心預けて歩んでゆこう
やがて「宝」は光り輝き
多くの人を幸せに導く
神が与えし「宝」を大切に――
心正しく信者の道を歩んでゆけば
我の人生喜び多く
楽しきものとなるゆえに――
めでたき めでたき旅立ちの日
神は祝うものなり
平成15年6月19日(『真実の光・神示 増補版〈平成15年~令和3年〉』13ページ/『幸福の花 儀式真理の基本』100ページ)