我が子が何歳でも、仕合せを願えばこそ、迷いや不安が付きまとうのが「子育て」です。本当に子供を仕合せにするものは…。親にできる後押しは…。親なら誰もが知りたい「子供との正しい関わり方」をつかむために、8月18日、神総本部から全国の偉光会館に中継して、「親の会」が行われました。今回の対象は、乳幼児から30歳までの、未婚の子を持つ親御さんです。会場には、“親としての心の在り方”を見詰め直そうと、大勢の方々が駆け付けました。
「お子さんにとって、我が家は帰りたい家でしょうか」。冒頭の呼び掛けから、ドキッと引き込まれる出席者たち。まず、親として欠かせない、基本の真理を確認しました。
親にとっては、幾つになっても子供は子供。しかし、その触れ方は、ずっと同じではいけません。それを知らずに過ごしてしまえば、善かれと思ってすること、言うことが、親子の間に壁をつくりかねないのです。我が子との触れ方が変わる“境目”は、子供自身に「人生を歩み抜く力」が芽吹く15歳。それまでと、その後の関わり方の違いを知って、一人一人が大きくうなずいていました。
親として常に貫きたい、大切な姿勢もあります。仕付けのことも、教育方針も、夫婦で何でも話し合い、価値観をそろえて子供に向き合うことです。ですから、「お母さんが怒るからやめなさい」「お父さんには内緒ね」は、絶対に避けたい姿。職員の言葉に、顔を見合わせる親御さんも。両親の心が重なっているほど、子供の心は安心感に包まれ、安定し、すくすくと健やかに成長していきます。
だからといって、夫婦そろって、「困った子だな」の感覚でいては、親子の縁は深まりません。「何を感じているんだろう」「どんな気持ちでいるのかな」と、「温かい関心」を持って触れていけば、何げない関わりからも子供の良さや弱点、心の内が、見えてくるものです。見えるから、褒めたり、感謝したり…。たとえ厳しく注意するときであっても、掛ける言葉から本物の愛情が伝わっていくのです。
会話は重要ですが、「目的ではなく、心を通わせるための“手段”」という呼び掛けには、そこかしこでメモを取る姿がありました。お互いを思いやり、父親らしく、母親らしく、愛にあふれた会話を心掛けていくところに、「両親は、自分を分かってくれている」と親子の信頼関係が深まります。一人親の人は、一人で二人分果たそうとせず、父として、母として、自分の立場で我が子に向き合っていきましょう。すぐにも実践したいポイントが続き、それぞれが気付きを深めました。
会の後半は、「親という立場で、どう生きるべきか」をテーマに語り合い。「心配のあまり、つい親の思いを押し付けてしまうので、“穏やかに”から始めていきます」「このところ反抗的な娘には、声を掛けるのも面倒に…。でも、温かい関心を持って私から関わる。やるべきことが見えました」。すぐに心を開いて話せるのは、同じ教えを学ぶ仲間同士だからこそ。お互いの話に共感し、新たな気付きを得たり、勇気が湧いたり。拍手を送り合い、「きょうから実践していこう!」と決意が湧き上がるひとときとなりました。
「行事の中であった『お子さんのいいところは?』という問い掛けに、スッと答えられない自分がいて、ドキッとしました。思えば、出張だ、単身赴任だと仕事に追われ、子供との関わりは妻中心。夫婦の会話も少なかったと思います。これまで以上に家族に温かい関心を持って、まずは妻と何でも話すことを心掛けます」
「『伴侶を尊重する。ないがしろにしない』という話が心に刺さりました。普段は、1歳を過ぎた子供中心の生活になりがちで、外で遊ばせなきゃ、もう寝かせなきゃということばかりに気持ちが行ってしまいます。だから、夫の都合より、『あれやっといて』『これお願い』となってしまって…。相手のタイミングとか、気持ちとかをもう少し大事にして、夫婦で心を一つにできるように…と思いました」
「最近、15歳になった娘との衝突が増えていました。先日は、なかなか提出物を出さないので、つい『出せって言ってるだろ!』と怒鳴ってしまったんです。『そんな言い方しなくても!』と言い返されて大げんかに。きょう、『15歳を迎えたら、一人の大人として関わる』と聞いて反省。頭ごなしに思いをぶつけず、丁寧に本人の気持ちを聞いてやりたいです」
子育てのノウハウにあふれている現代社会。けれど、それが万人に通用するとは限りません。その時は「常識」であったことが、時代とともに変化することもたくさんあるのです。半面、実在する神が表される真理は、時代や国を超えて、誰にも当てはまるもの。教えを学び、「ここを正したい」「こういう生き方をしたい」と神に願えば、必ず心の動きをお守りいただけます。そうして、親として心を磨く日々こそが、我が子への何よりのお手本となって、子供の、さらには孫の仕合せにつながっていく。すなわち、その家の「心の道」に良いものを残していけるのです。